割れてしまった器を修復する方法として、「金継ぎ」は広く知られるようになりました。
しかし現在では、「簡易金継ぎ」と「本漆による金継ぎ」という、まったく異なる2つの方法が存在しています。
見た目は似ていても、その素材や工程、そして安全性には大きな違いがあります。
簡易金継ぎとは
簡易金継ぎは、合成接着剤やパテなどを使用して、短時間で仕上げる修復方法です。
手軽で安価に修復できる一方で、食品用途を前提としていない材料が使われることが多く、基本的には観賞用としての修復に適しています。
食品用途に適さない理由
簡易金継ぎに使用される合成接着剤は、強度や作業性を重視して作られており、食品用途を前提としていないものが多くあります。
そのため、熱や酸、アルコールなどに反応する可能性があり、使用環境によっては微量の成分が溶け出す可能性があります。
また、経年劣化によって接着部分が変質することもあり、長期的に食品を直接触れる用途には適さない場合があります。
本漆による金継ぎとは
本漆による金継ぎは、日本の伝統技法に基づき、天然の漆のみを使用して行われます。
数ヶ月という時間をかけて、乾燥と研磨を繰り返しながら丁寧に仕上げていくため、完成までには時間と手間がかかります。
食器として使える理由
完全に乾燥・硬化した漆は、非常に安定した素材となります。
そのため、食器としても安心して使用できるという大きな特徴があります。
修復ではなく、新たな価値へ
本漆による金継ぎは、単なる修復ではありません。
器の傷や欠けを「隠す」のではなく、「美しさとして活かす」ことで、新たな価値を生み出します。
それは、時間や記憶を受け継ぎながら、器に新しい物語を与える行為でもあります。
本物の金継ぎという選択
手軽さを取るか、本物を選ぶか。
その違いは、見た目以上に大きなものです。
Fleurir Kintsugiでは、天然の本漆のみを使用し、時間をかけて丁寧に修復を行っています。
大切な器を、これからも長く使い続けるために。
本物の金継ぎという選択を、ぜひ知っていただければと思います。


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