フランスのヴィンテージ食器に見られる、美しい金色の縁取り。
長く使っているうちに少しずつ剥がれてしまったり、うっかり電子レンジに入れて傷めてしまったり。そんな経験はありませんか?
我が家でも先日、私が留守にしている間に、子どもが金の縁取りのあるプレートを電子レンジにかけてしまいました。
帰宅して見てみると、美しかった金色の縁は真っ黒。見るも無残な姿になっていました。
こんなときこそ、漆の技術の出番です。
金継ぎというと、割れたり欠けたりした器をつなぎ合わせる技法という印象が強いかもしれません。
けれど、漆でできることは実はもっと幅広く、傷んだ部分を補修したり、絵を描いたり、金属粉を使って装飾を施したりすることもできます。
蒔絵も金継ぎも、漆を使う日本の伝統技法という点ではつながっています。金継ぎは、漆を使ったさまざまな技法のうちの一つなのです。
さて、話をプレートの修復に戻しましょう。
今回は、黒く変色してしまった縁取りを、本漆と真鍮粉を使って修復しました。
まず、傷んだ金彩を目の細かいサンドペーパーで少しずつ取り除きます。ここで粗いものを使ってしまうと、金彩だけでなくプレートの表面まで傷つけてしまうため、慎重に作業します。
下地を整えたあと、絵漆で元の縁取りに沿って細い線を描き、その上に真鍮粉を蒔きます。新しく塗り直した部分だけが目立たないように、できるだけ元の金彩の色や雰囲気になじませて仕上げました。
近くでよく見れば修復した部分は分かりますが、食卓に置くとほとんど違和感のない状態になりました。

このプレートは、昨年の夏、パリの蚤の市で一目惚れして連れて帰ったものです。薔薇の絵柄が美しく、食卓に一枚あるだけで、いつもの料理まで少し華やかに見せてくれます。
壊れたり傷んだりしたからといって、すぐに手放すのではなく、直しながら長く使っていく。
大切な器だからこそ、これからも暮らしの中で使い続けたいと思います。
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